ビールで薄毛が治るのは本当か?

日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

今年も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。

 

はじめに

最近のネットではビールで薄毛が治ると評判です。

  • ビール+薄毛 で検索すると49万8,000件
  • ビール+毛が生える で検索すると48万8,000件

ものヒットがあります。

ホップには薄毛に良い成分が含まれるがビールで薄毛が治るのは本当ではない

ビールで薄毛が治るのは本当か?

ビールで毛が生えるのはどうしてなのか?

ビールで薄毛を治すためにはどうしたら良いのか?

あなたは知っていますか?

 

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ビールで薄毛が治るというのは本当なのか?

ネットではビールと薄毛を調べると、

  • ビール+薄毛 で検索すると49万8,000件
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ものヒットがあります。

適量のビールが髪に良い

とするサイトが目に付きます。

その理由は、

適度のアルコールは頭皮の血行を良くして毛母細胞を活性化する

というものです。

確かに、リアップの育毛効果の作用の1つには「血行促進」があります。

髪の毛を作り出す毛母細胞は体の中で最も細胞分裂が盛ん細胞ですから、栄養素と酸素が充分に供給されないと髪の毛の生産が滞ってしまうのです。

 

多くの育毛剤にはカプサイシンが含まれていますが、カプサイシンはトウガラシの辛み成分で血管拡張作用があります。

辛いものを食べると全身が熱くなり汗をかくのはそのためです。

その様な理由から、

適量のビールは薄毛の解消に良いことは間違いではないといえます。

 

一方、

ビールの飲み過ぎは薄毛の原因

だと主張するサイトも少なくありません。

その理由としては、

糖質の過剰摂取は薄毛の原因になるというのです。

糖質と薄毛の関係については、このサイトでも、

  • 糖尿病は薄毛の原因
  • 糖化によるAGEは薄毛の原因

ということや、

  • 糖質制限で薄毛が治る|藤田紘一郎
  • 糖質制限で薄毛が治る理由

ということをお知らせしています。

 

しかし、ビールの糖質はせいぜい4%程度ですから、薄毛の原因になるほどの糖質が含まれいるわけではありませんから、安心してください。

さらに、

ビールが薄毛の原因だとする理由として、

アルコールが分解されたアセトアルデヒドはDHT(ジヒドロテストステロン)を増加させる

というのです。

DHTはAGAの原因となる物質(酵素)ですが、アセトアルデヒドはビールに限らず全てのアルコールの代謝でできるものですし、アセトアルデヒドがどれほどのDHTを増加させるのかは不明です、、。

酒飲みが全て薄毛ではありませんし、真偽は不明ですね。

 

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ビールのホップには薄毛を治す効果がある

ビールが薄毛の原因だとする説には余り科学的根拠が見つかりませんが、

ビールで薄毛が治るというのは全く根拠がないわけではなさそうです。

 

ビールは、

  1. 麦芽
  2. ホップ
  3. 米、とうもろこし、などの糖類等

を発酵させて作られ、

ビールの製造にホップは欠かせない原料です。

 

ホップというのは、アサ科の宿根性多年生植物で、ビールの醸造には球花と呼ばれる花が使われます。

ビールで薄毛が治るというのはホップに有効成分が含まれるからです

ホップを入れる理由は、

  1. 苦味
  2. 爽快な香り
  3. 泡持ちを良くする
  4. 濁りを取り除く
  5. 腐敗を防ぐ

など様々な理由があるのです。

 

ホップの健康効果

ホップはビールにとって苦みや香りなど欠かせない原料です。

ホップには、薬用ハーブとしてさまざまな作用を持っていることが知られています。

ホップの健康効果としては、

  1. 不眠の改善
  2. 生活習慣病の予防や改善
  3. 花粉症の予防
  4. ダイエット効果
  5. 食欲増進
  6. 更年期の改善

などの効果が挙げられています。

ビールのホップには薄毛の改善効果がある

ホップの健康効果で注目すべきは「更年期の改善効果」です。

ホップにはフィストロゲンという成分が含まれますが、フィストロゲンには女性ホルモン様作用があるのです。

 

ホップに含まれるフィストロゲンという成分の名前は、「フィト」とは「植物」という意味で、「エストロゲン」は「女性ホルモン」のことですから、

シストロゲンとは「植物エストロゲン」という意味なのです。

 

大豆にはイソフラボンといわれる成分が含まれ、女性ホルモンと似た働きをすることが知られており、このサイトでも女性の薄毛解消には大豆が良いということをお伝えしてきましたが、ビールのホップにも同じような作用があるのです。

 

そして、エストロゲンにはAGAの原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)を抑える作用もあるのです。

 

ホップの女性ホルモン作用については、

閉経後の女性に、ホップの抽出物を1日あたり300mg を12週間摂取させたところ、更年期症状のほてりが改善したと報告されています。

A first prospective, randomized, double-blind, placebo-controlled study on the use of a standardized hop extract to alleviate menopausal discomforts.

Daily intake of a hop extract, standardized on 8-PN as a potent phytoestrogen, exerted favorable effects on vasomotor symptoms and other menopausal discomforts. Hop-derived prenylated flavonoids may provide an attractive addition to the alternative treatments available for relief of hot flushes and other menopausal discomforts.

   詳しく見る ⇒ ホップのエストロゲン作用

さらに、

ホップにはゲラニオールという成分も含まれていています。

ゲラオニールは知覚神経を刺激する作用があり、知覚神経が刺激されるとIGF-1が分泌されることが科学的に明らかになっています。

唐辛子に含まれるカプサイシンにもIGF-1を分泌され作用があるのですが、

IGF-1には発毛を促進する作用があるのです。

 

このような理由から、

ビールのホップには薄毛を解消する効果があることは科学的に明らかになっているのですが、

残念ながら、

ビールを飲めば薄毛が治るということは臨床的に証明されていないのです。

 

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ホップの効果が期待できる育毛剤

このように、ビールの原料であるホップには薄毛を解消する効果がある、

  • フィストロゲン
  • ゲラオニール

が含まれていることは間違いないのですが、

残念ながら、

ビールを飲めば薄毛が治るということは期待できないようです。

 

市販の育毛剤には、「ホップエキス」を含むものも販売されています。

 

  • アデノバイタル (資生堂)
  • 薬用・黒髪創生エッセンス (ヘルスライフ)
  • 薬用サイトプライン (クオレ )

などの成分表には「ホップエキス」と明記されています。

 

まとめ

医薬部外品の育毛剤の有効成分一覧にも、ホップエキスは「抗男性ホルモン剤」として明記されているようですから、AGAといわれる男性型脱毛症には効果が期待できるとおもわれます。

その他、男性型脱毛症に有効な育毛剤として人気があるのは、「フィンジア」や「ビタブリッドC」などですからあわせて検討してください。

ビールの原料であるホップには薄毛を解消する作用がある成分が含まれますが、

ビールを飲んだら薄毛が解消することは期待できませんので、

ビールの飲み過ぎにはご注意ください。

 

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