ミノタブ(ミノキシジル・タブレット)は安全で効果があるのか?

日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

 

薄毛に悩む人の中には、

  • 薄毛にミノタブが効果がある!
  • ミノタブの発毛促進効果は凄い!

と思っている方はたくさんおられるようで、

先日このサイトの読者の方から、

  • ミノタブは薄毛に効果があるのでしょうか?
  • ミノタブはどこで入手できるのでしょうか?

という質問がありました。

このサイトでも、

岡村隆史の毛が生えた

で、お笑い芸人の岡村隆史さんがミノタブの薄毛治療を受けたことを紹介しました。

しかし、はたして、

  • ミノタブには本当に発毛効果があるのか?
  • ミノタブは安全なのか?
  • ミノタブはどこで手に入れられるのか?

を調べてみました。

 

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ミノタブ(ミノキシジル・タブレット)とは何か?

Webで検索すると、

  • ミノタブ : 約 50,800 件
  • ミノキシジルタブレット : 約 139,000 件 

と、どちらもたくさんヒットするのですが、

ミノタブとは、ミノキシジル・タブレット のことです。

ミノキシジル・タブレットとは「ミノキシジルの錠剤」ということです。

 

ミノキシジルとはリアップの有効成分の化合物名です。

ミノタブの安全性と有効性のエビデンスはあるのか?

 

大正製薬のリアップx5プラスはミノキシジル5%溶液

なのです。

 

ミノキシジルは高血圧の薬

ミノキシジル5%溶液であるリアップの適応症は壮年性脱毛症ですが、

ミノキシジルは本来、高血圧の薬でした。

 

アメリカの製薬会社であるアップジョン社(現在はファイザー社)が、

1963年に血圧降下薬として開発した化合物で剤形は経口剤(タブレット)でした。

 

1969年から高血圧患者を対象にした臨床試験が始められたのですが、

副作用として多毛症が確認されたのです。

そこで、

1972年から脱毛症治療薬の外用剤として臨床試験がおこなわれ、

アメリカではは1988年8月に脱毛症治療薬として承認されたのです。

頭皮の血管を拡張し毛母細胞を活性化して発毛を促進すると考えられています。

  詳しく見る ⇒ リアップは薄いから効果がないのか

 

日本では、1985年に大正製薬がアップジョン社から開発販売権を取得し、

厚労省の承認を得るために14年もかかったのですが、1999年2月に一般医薬品として承認されたのです。

2017年には累計販売本数6,000万本を記録しています。

  詳しく読む ⇒ リアップの売上本数6,000万本超

 

 

米国では「ロゲイン」、欧州などでは「リゲイン」の製品名で世界90ヵ国程で発売されていますが、

「ロゲイン」も「リゲイン」も、

適応症は脱毛症ですがリアップと同じ外用液です。

 

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ミノタブは育毛剤では承認されていない

ファイザー社はLONITENというミノキシジルのタブレットを販売しています。

1錠当たり2mgあるいは5mgのミノキシジルを含有する錠剤です。

安全性と有効性が確認されたミノキシジル・タブレットはありません

 

Webで検索すると下記のような一文が見つかりました。

今回ご紹介させていただくロニテンは、

アメリカのファイザー社が製造・販売しているミノキシジルを含む経口タイプのタブレット育毛剤です

 

岡村隆史さんは発毛クリニックでミノタブの処方を受けて毛が生えた、治療費は月3万円だったと告白していますし、

インタネットの育毛クリニックのサイトでもミノキシジル・タブレットの効果などを書いていますから、

ミノタブは脱毛症の治療薬だと思っている方が多いと思います。

 

 

しかし、

ミノキシジル・タブレットは育毛剤の治療薬ではありません。

外用薬は世界90ヵ国以上で脱毛症の治療薬として販売されていますが、

ミノタブを脱毛症の治療薬として承認している国は世界で1ヵ国もないのです。

 

アップジョン社では脱毛症の適応で2年間の臨床試験をおこなっていますが、有効性が確認されず承認までに至っていません

(プロペシアに勝る有用性が見つからなかったからともいわれています。)

国内でもミノタブの開発をおこなったのですが犬を用いた試験で心臓破裂の副作用が発生し開発が中止されています。

 

ミノタブには副作用がある

ミノタブであるLONITENを販売しているファイザー社は下記のような警告を出しています。

ファイザー社はミノタブの育毛の有効性はないが副作用があると警告している

11. Unapproved Use
Use of LONITEN Tablets, in any formulation, to promote hair growth is not an approved indication. While clinical trials with ROGAINE® Topical Solution 2% demonstrated that formulation and dosage were safe and effective, the effects of extemporaneous formulations and dosages have not been shown to be safe or effective. Because systemic absorption of topically applied drug may occur and is dependent on vehicle and/or method of use, extemporaneous topical formulations made from LONITEN should be considered to share in the full range of CONTRAINDICATIONS, WARNINGS, PRECAUTIONS, and ADVERSE REACTIONS listed in this insert. In addition, skin intolerance to drug and/or vehicle may occur.

 

     詳しく読む ⇒ LONITENの添付文書

要するに、

  • ミノキシジル・タブレットの適応症は高血圧であり脱毛症では承認されていない
  • ミノキシジル・タブレットは脱毛症では有効性も安全性も確認されていない

というのです。

 

ミノタブの副作用については

FDA(アメリカ食品医薬品局)はミノキシジル・タブレットには副作用が有ると警告しています。

  • 心室肥大 : 心臓の心室が大きくなる
  • 心外膜液異常 : 心外膜液に異常があれば増えても減っても心臓に負担がかかる
  • 多臓器不全 : 心臓に負担がかかることによりその他の臓器が機能障害を起こす。
  • 全身性繊維症 : 皮膚が腫れる。又は硬くなることで手足が動かしにくくなる。
  • 高カリウム血症 : 不整脈・頻脈・筋力の低下を起こす。

 

ミノキシジル・タブレットは脱毛症の薬だと思っておられるかもしれませんが、

ミノキシジル・タブレットを育毛剤として承認している国は世界中で1ヵ国もないのです。

 

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日本皮膚科学会もミノタブの使用を警告

昨年秋、日本皮膚科学会は脱毛症治療ガイドラインを7年振りに改定し、

男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版

を公表しました。

  詳しく見る ⇒ 日本皮膚科学会のガイドライン

 

その中で、ミノキシジルのタブレット(内服)については、

  • 推薦文 : ミノキシジルの内服を行うべきではない
  • 解説 : ミノキシジル内服の有用性に関して臨床試験は実施されていない

としています。

 

具体的には、

全身の多毛症を起こす副作用があることを根拠に、医師が安易に処方したり、一般人が個人輸入で入手し服用することがあるので、医薬品医療機器等法の観点から問題視されている。

内服用製剤の添付文書中の市販後調査欄には、胸痛、心拍数増加、動悸、息切れ、呼吸困難、うっ血性心不全、むくみや体重増加などの重大な心血管系障害が生じるとの記載がある。

ミノキシジルの内服療法は、利益と危険性が十分に検証されていないため、男性型脱毛症・女性型脱毛症ともに行わないよう強く勧められる

 

ミノキシジル・タブレットの育毛剤としての開発は海外でも日本でも失敗し、育毛薬としては世界中どこでも承認されていないのです。

 

ミノタブの服用は違法ではない

ミノタブを入手する(服用する)には、

  1. 海外で購入する
  2. 輸入代行業者を利用して個人輸入する
  3. 発毛クリニックで処方を受ける

などの方法があります。

 

ED治療薬と同様に輸入代行業者を通じて個人輸入するのは非常に簡単です。

さらに、ミノキシジル・タブレットにはLONITENだけでなく、ジャネリック薬もたくさんあり非常に安価て手に入ります。

国内で承認されていない医薬品を個人で輸入して服用することは、1回に2ヵ月分以内の量であれば違法ではありません。

しかし、

副作用が生じたときには国などの救済は全くなく、自己責任になるのです。

ED治療や育毛剤などの個人輸入について厚労省では自粛するように警告を出しています。

 

 

 

薄毛治療は美容整形などと同様に保険が適用されない自由診療で、

医師やクリニックは患者が(副作用も含めて)同意をした治療を提供するという建前ですから、ミノキシジル・タブレットを処方することは違法ではありません。

また、日本では未承認薬でも医師免許をもっていれば輸入することも可能なのです。

 

 

ミノキシジル・タブレットは育毛剤としては世界中の1ヵ国でも承認されていません。

ミノキシジル・タブレットを個人であるいは発毛クリニックで入手して服用することは違法ではありません。

しかし、

ミノキシジル・タブレットに発毛効果があるという科学的なエビデンスはないのです。

ただ、

副作用があると言うことは事実です。

ミノキシジル・タブレットを服用することは個人輸入でも発毛クリニックでも全て自己責任です。

 

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