リアップはAGAに効果がないのか?

日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

今日も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。

 

はじめに

リアップは国内で唯一の薬局で購入できる薄毛の医薬品です。

大正製薬は1999年2月に厚労省から国内で初めてダイレクトOTC薬として承認を受け6月からミノキシジルを1%配合したリアップを発売しました。

発毛・育毛などの毛髪剤市場規模は、2014年の毛髪剤生産額約1,477億円ですが、リアップはその約30%のシェアを占めているのです。

リアップX5を中心としたリアップシリーズの2016年の総売上高は165億円と前年比10.9%と凄い売れ行きなのです。

リアップ新製品が発売

そんなリアップなのですが、

  • リアップは本当にAGAに効くのか?
  • リアップはAGAに効果がある育毛剤なのか?

という疑問もあるのです。

このサイトにも「リアップの効果を教えて欲しい」といういくつかの質問が来ています。

リアップは厚生労働省が薄毛に効果があると承認した治療薬なのですから疑いはないはずなのですが、

どうしてリアップはAGAに効果がないと思われているのか?

それを調べてみました。

 

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リアップの効能は壮年性脱毛症

リアップは大正製薬の一般医薬品の商品名で、ミノキシジルという薄毛に効果があるという化学物質を1~2%程度含む製品です。

 

あなたもご存じのように、

医薬品には、

  1. 医療用医薬品 : 医者の処方箋で入手できる医薬品
  2. 一般医薬品  : 薬局で購入できる医薬品

に分けられています。

いずれも、厚生労働省により、有効性があるとして承認された医薬品です。

MSDのプロペシア

 

国内の薄毛治療として承認された医薬品は、

  1. 医療用医薬品 : プロペシア、ザガーロ、フィナステリドファイザーなど
  2. 一般医薬品  : リアップ

と、薬局で購入できる薄毛治療薬はリアップだけなのです。

 

医薬品には、

厚生労働省により、効能と効用が明記されています。

  • 効能とは「どのような病気に効果があるのか」ということで、
  • 効果とは「どのような改善効果が期待できるか」ということです。

 

リアップとプロペシアの効能効果を比較して見ましょう。

商品名 リアップ プロペシア
分類 一般医薬品 医療用医薬品
会社 大正製薬 MSD
成分 ミノキシジル フィナステリド
効能 壮年性脱毛症 男性型脱毛症
効果 発毛、育毛、脱毛予防  男性型脱毛症の進行遅延

という違いがあります。

 

リアップの添付文書を見てみますと、

壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防」と明記されています。

リアップの適応は、「壮年性脱毛症」なのですね。

 

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壮年性脱毛症とAGAとの違い

このような違いがあったのです。

  1. プロペシアの効能は「男性型脱毛症」
  2. リアップの効能は「壮年性脱毛症」

 

じゃ、リアップはAGAには効果がないのか?

ということになってしまうようです。

 

男性型脱毛症は、英語では Androgenetic Alopeciaといわれ、AGAという略語が一般的です。

ですから、

 男性の脱毛 → 男性型脱毛症 → AGA

という思い込みが強いのですね。

 

では、リアップの適応である壮年性脱毛症とはどんな脱毛症なのでしょうか

実は、壮年性脱毛症も男性型脱毛症と呼ばれたりしています。

働き盛りともいわれる壮年に明確な定義はないのですが、 厚労省の資料では「25~44歳の年齢層」とされています。

 

壮年性脱毛症と男性型脱毛症の明確な定義はなく、年齢層を基準に分類されているものと思われます。

概ね下記のような区分になるのではないでしょうか、、、。

 

男性型脱毛症(AGA) 若年性脱毛症 20~30代前半から脱毛
壮年性脱毛症 40~50代以降に見られる脱毛
老人性脱毛症 60歳ころから老化による脱毛

 

老人性脱毛症は男性型脱毛症とは異なるのか?という疑問もあるかもしれませんが、

男性型脱毛症の原因としては後で述べますDHTが大きな原因ですが、老人性脱毛症では加齢性変化にともなう発毛機能の老化現象も加わりますから、

一応、男性型脱毛症と老人性脱毛症とは区別してみました。

 

AGAはMSDの商標登録

テレビのコマーシャルでは「AGA」という言葉が流れます。

それは、「脱毛症」という言葉よりも直接できでないから受けるのでしょう。

今では普通になりましたが「ED」という言葉が流行ったのと同じことでしょう、、、。

ファイザー製薬がバイアグラを新発売したときに「勃起不全」という言葉を「ED」にして、「EDはお薬で治ります!」と宣伝したのです。

 

AGAは医学用語であるAndrogenetic Alopeciaの略なのですが、

実は、日本MSD社が商標登録しているのだそうです。

MSD社はアメリカの以前はメルクという名前の製薬会社で、日本MSD社はかつては万有製薬という会社です。

 

プロペシアを販売している日本MSD社がAGAの商標を持っているため、

プロペシアの後継品である、フィナステリド錠を販売しているファイザー社や、ザガーロを販売しているグラクソスミスクライン社は、AGAという言葉を使えないようです。

 

大正製薬も「リアップはAGAに効果があります」とは宣伝できないのでしょう、、、

 

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AGAの原因はDHTです

AGAの原因についてはこのサイトでも充分、説明していますしあなたもご存じでしょう。

男性ホルモンであるテストステロンは5α-リダクターゼという酵素によってDHT(ジヒドロテストステロン)という強い活性のホルモンに変わるのですが、
DHTは発毛を抑えてしまう作用があるのです。

したがって、AGAの進行をストップするためには、5α-リダクターゼを抑制する必要があるのです。

 

 

AGAの治療薬でる、

  • プロペシア
  • フィナステリド錠
  • ザガーロ

などは全て5α-リダクターゼを抑制する作用のある物質が主成分の医薬品なのです。

 

さらに、このサイトで紹介している、

  • フィンジア
  • 薬用プランテル

なども植物成分ながら、5α-リダクターゼを抑制する物質を含んでいるのです。

特に、フィンジアは5α-リダクターゼ抑制作用と、リアップの作用であるフィナステリドと同じ作用もあるとのことです。                   

 

リアップの作用はヘアサイクルの正常化

5α-リダクターゼを抑制することによってAGAの進行が止まることは科学的に明らかになっています。

 

大正製薬では、ミノキシジルの作用について、

正常なヘアサイクルを復活
ミノキシジルは、毛包に直接作用し、細胞の増殖やタンパク質の合成を促進することによって発毛作用を示します。ヘアサイクルに変化が起こり小さくなった毛包を大きく深く成長させることにより、細く軟毛化した毛髪を太い毛に成長させます。毛髪の成長をつかさどる毛包を大きく、深くするミノキシジルの作用をディープグロース効果と呼んでいます。ミノキシジルは、さまざまなタイプの壮年性脱毛症に対して発毛を促進させます。

      くわしく見る ⇒ 大正製薬

と述べています。

 

やや難しいので簡単にしますと、

具体的には、

  1. 休止期毛包から初期成長期毛包への移行促進作用
  2. 初期成長期毛包から後期成長期毛包への移行促進及び維持作用

ということで、

ミノキシジルには5α-リダクターゼ抑制作用はないのです。

 

リアップの主成分であるミノキシジルは、高血圧の治療薬として開発されたものです。

血管拡張作用のある高血圧治療薬としての開発中に、副作用として発毛作用があることが判明し脱毛症治療薬として販売されるようになったのです。

 

 

リアップには5α-リダクターゼ抑制作用がないことは明らかですが、かといってAGAに効果がないとはいえません。

AGAにはさまざまな原因があり、5α-リダクターゼはその中の1つなのかもしれません、、、、。

 

大正製薬では、「リアップは脱毛を抑制」し「リアップは発毛を促進する」と述べています。

 

大正製薬ではリアップの効果が現れるまでには4ヵ月が必要だと明記しています。

もう少し気長に使ってみてください。

髪の毛の成長スピードは1日に0.3ミリ、1ヵ月に1センチしか伸びないのです。

 

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