髪の毛の色とカラーリング

日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

今日も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。

 

はじめに

日本人の髪の毛の色はほとんど黒ですが、世界的に見ると多様な色があります。

髪の毛の色をカラーリイグで変える

髪の毛の色は、メラニン色素で決まりますが、メラニン色素は2種類だけなのです。

髪の毛の色を決めるメラニン色素には、

  • フーメラニン
  • ユーメラニン

の2つしかないのです。

では、

ヘアーカラーリングではどうして様々な色になるのでしょうか?

ヘアカラーをしている人は是非とも知っておいてください。

 

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髪の毛の色はメラニン色素で決まる

   毛髪診断士の試験ももうすぐです。

   
今は、髪の毛の色について勉強しています。

髪の毛をはじめ、ヒトの体毛には様々な色があります。

日本人はほとんどが黒ですが、世界的に見ると、白色、淡褐色・、褐色、黒色など実に多様な色があります。

 

メラニン色素は2種類だけ

髪の毛の色はメラニン色素によって色がついていることはご存じだと思います。

多種多様な色があることから、メラニン色素のも様々な色があるのだとお思いでしょうが、メラニン色素には2種類しかありません。

  • ユーメラニン
  • フォーメラニン

の2種類だけです。

  • ユーメラニン : 黒〜茶褐色
  • フェオメラニン : 赤褐色~ 黄色

の2種類の色で決まるのです。

ユーメラニンは、色の濃淡に関係し、フェオメラニンは黄色み・赤みはに関係します。

 

ユーメラニンが多ければ毛髪の色は黒色に近付き、

フェオメラニンが多ければ暖色系になるのです。

 

フェオメラニンは赤褐色系の色ですが、濃度が低いと黄色やアイボリー(象牙色)になり、髪の毛の赤も黄色もフォーメラニンの濃度で決まるのです。

 

メラニン色素はメラノサイトが作る

メラニン色素は、メラノサイト(色素形成細胞)でつくられます。

 

メラノサイトは立毛筋や皮脂腺に近いバルジ領域という部分から、メラノサイトの元になるメラノサイト幹細胞が供給され、毛球部でメラノサイトになるのですが、毛母細胞に隣り合った場所に位置しています。

毛母細胞は盛んに細胞分裂を行い、髪の毛を産み出していくのですが、メラノサイトは毛母細胞にメラニン色素を送り込み、髪の毛の中に取り込まれるのです。

髪の毛の色とカラーリングの原理

 

 

メラニン色素がなくなると白髪になる

白髪は、髪の毛の中にメラニン色素がないために色がつかずに白髪になるのです。

白髪の髪が銀白色に見えるのは、毛髄質の気胞に当たった光が乱反射するためです。

 

白髪には、

  1. 加齢による白髪
  2. 遺伝による若白髪
  3. 病気による白髪

がありますが、多くは老化に伴う白髪です。

 

日本人の白髪が発生する平均年齢は、

  • 男性 : 34歳
  • 女性 : 35歳

といわれています。

アメリカ人でも、40歳で40%が白髪になるといわれていますが、日本人は黒髪のため白髪が目立ちやすいので、気にする人が多いのです。

 

メラニン色素が作られない理由としては、

  1. メラノサイトの機能が低下してメラニン色素が作られない
  2. メラニンを作るチロシナーゼという酵素の働きが弱くなり作られるメラニン色素が少なくなる
  3. メラノサイトで作られたメラニンが毛母細胞に取り込まれなくなった

 

上にも書きましたように、メラニンはメラノサイトと言われる色素細胞が作り出すのですが、メラノサイトは、

皮脂腺の少し下の部位のバルジ領域と言われる部位から、メラノサイトになる、メラノサイト幹細胞が供給されるのですが、

東京医科歯科大学の研究グループは、メラノサイト幹細胞の働きが悪くなり、

メラノサイトが作られなくなることが白髪の原因であることを明らかにしています。

 詳しく見る ⇒ 白髪の原因と予防

 

黒い髪が一晩で白髪にはならない

白髪の原因は、加齢ばかりでなく、遺伝、ストレス、高熱、薬の副作用など様々な影響があるのですが、

一晩ですっかり白髪になってしまった

というようなことはありません。

 

古くから、恐怖や強いストレスによって一晩で白髪化したという話を聞きますが、一夜で黒髪が白髪に変わるようなことはあり得ません。

白髪になるには、髪の毛の中のメラニン色素がなくならなければならないわけで、白髪の仕組みを考えると、現在生えている髪の毛からメラニン色素が抜けて白髪になることは考えられないのです。

髪の毛の色は、原則として生え替わるまで変わることはないため、全ての髪の毛が白髪になるには、どんなに早くても3年程度かかるのです。

 

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髪の毛のカラーリング

髪の毛を染めるといえば、かつては白髪を黒く染めるのみでしたが、最近は、

  • 黒い色を明るい色に変える
  • 金髪や緑など変わった色に染める
  • 部分的に異なった色に染める

など、様々な目的で染毛(カラーリング)が使われるようになりました。

 

髪の色は、上に書きましたように、フェオメラニンとユーメラニンにより決まります。

ユーメラニンが多ければ黒、フェオメラニンが多ければ赤色系になります

カラーリングは、メラニン色素を破壊することにより行います。

フェオメラニンはユーメラニンよりも化学的に安定しており、髪の毛が酸化された場合には、ユーメラニンが先に破壊されます。

 

したがって、酸化剤であるブリーチを使えば、最初はユーメラニンが破壊され、次第にフェオメラニンも破壊されますから、

髪の毛は、

 黒 → 赤 → オレンジ

と変化していきます。

 

永久染色と半永久染色

カラーリング剤は、

  1. 永久染毛剤  (医薬部外品)
  2. 半永久染毛剤 (化粧品)
  3. 一時染毛剤  (化粧品)

の3つです。

永久染毛剤はヘアダイといわれるものです。

髪の毛の色の違いとカラーリングの種類

 

永久染毛剤の種類

永久染毛剤もう少し詳しく見てみましょう。

永久染毛剤は、

  1. 酸化染毛剤
  2. 非酸化染毛剤

と、

  1. 脱色剤
  2. 染色剤

に分けられます。

髪の毛の色をカラーリングで変える時の注意

 

酸化染毛剤

ヘアダイ剤ともいわれる酸化染毛剤は、色素原料を髪の毛に浸透させながら発色させ、髪の毛の内側も外側も同時に染めていきます。

一般的には、主剤と酸化剤の2種類からなり、1剤と2剤を混合すると、2つの反応が起こります。

ひとつは、リーチといわれる反応で、メラニンを分解させます。

もうひとつは、酸化重合という反応で、色素を髪の毛に定着させる反応です。

酸化染毛剤による髪のカラーリングではアレルギーなどの皮膚障害も多くみられますから、自分に合ったものを選ぶことが重要です。

 

100円ショップのダイソーは、

白髪染めに危険物質が入っていたとして、発売以来200万本も出荷している製品を回収しています。

  詳しく読む ⇒ ダイソーの白髪染めは危険なのか?

 

非酸化染毛剤

非酸化染毛剤は、おはぐろ染毛剤ともいわれる染毛剤で、ポリフェノールと鉄塩の反応を利用した染毛です。

1剤に含まれるポリフェノールを髪の中に取り込ませ、2剤に含まれる鉄剤とを反応させて黒色系に発色させるのです。

酸化染毛剤に比べて、かぶれや皮膚のトラブルがないのですが、白髪染めなどが主で、様々な色に染めることができませんので、現在では余り主流ではありませんね。

 

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カラーリングは髪の毛を傷める

髪の毛を染めるカラーリングでは、過酸化水素を発生する酸性染毛剤では、メラニン色素を分解脱色するほど強い作用を持っていますから髪へのダメージが大きくなります。

すなわち、黒い髪を明るくする染毛剤ほど過酸化水素でメラニン色素を破壊する必要があるのです。

メラニン色素を破壊すると同時に、髪の毛の成分であるケラチンも損傷を受けますから、

  • 枝毛
  • 切れ毛
  • 弾力のない髪の毛

になってしまう可能性が大きいのです。

 

カラーリングの頻度を調査した結果では、

 最近1年以内にカラーリングした人の割合は4割以上

だったそうです。

 

その内、

 自宅でカラーリングした人が7割

を占め、多くの人が自宅でカラーリングしています。

カラーリングの頻度については、

 2~3ヵ月に1回が8割

で最も多かったそうです。

 

紫外線はカラーリングした色素を退色する作用がありますので、夏はカラーリングの回数が多くなるかも知れませんが、

紫外線は髪の毛に大きなダメージを与えますから、夏には髪の毛は、カラーリングと紫外線のダブルのダメージを受けることになるので、要注意です。

 

カラーリングは少なからず髪と頭皮にダメージを与えるので、

カラーリングの知識をしっかりと学んでダメージを蓄積させないよう

適切な使い方や放置時間などを充分守ってカラーリングしてください。。

 

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