プロペシアのジェネリックをファイザーが発売

日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

今日も科学的根拠に基づいた育毛関連の情報をお届けしたいと思います。

 

はじめに

これは驚きのビッグニュースです。

ファイザーがプロペシアのジェネリック製造販売承認を取得!!

とのことですが、その詳細は、、、

 

Sponsored Link

 

ファイザーがジェネリック製造販売承認を取得

薄毛に悩んでいる方、プロペシアを服用しておられる方、ビッグニュースです!!

ファイザーが、プロペシアのジェネリック製造販売承認を取得したというのです。

世界最大の製薬会社である米国のファイザーの日本法人・ファイザー株式会社が2015年2月10日に、

男性型脱毛症治療薬である「フィナステリド錠」の後発医薬品の製造販売について国内で初めて承認を取得した

とプレスリリースしました。

 

    詳しく見る  >>>  ファイザー社プレスリリース

 

ご存じのように、フィナステリドは国内で「プロペシア」という商品名でMSD(旧:万有製薬、米国本社:メルク)が、男性型脱毛症(AGA)治療薬として販売している、男性用脱毛症の唯一の医療用医薬品です。

 

フィナステリドは、

  • 1991年に米国のメルク社が前立腺肥大治療薬として申請
  • 1992年に前立腺肥大の治療薬・プロスカーとの商品名で認可された

その後の研究で男性型脱毛症(AGA)で発毛促進作用があることが明らかにされ、

  • 1997年12月に米国の厚労省に相当するFDAが男性型脱毛症治療薬として承認

されたのです。

 

世界70ヵ以上で承認されていますが、日本でも1年間の臨床試験を経て、

  • 2005年10月に厚労省が承認
  • 2005年12月に、プロペシアの商品名で万有製薬から発売

されたのです。その後、万有製薬はメルク社の傘下に入り、MSD社となっています。

MSDのプロペシア 

ファイザーは、勃起不全治療薬(ED治療薬)のバイアグラを販売していることで有名ですが、AGA治療薬であるフィナステリドの後発品の開発販売権を得たことで、男性患者のQOL(生活の質)の向上に総合的に貢献することを目指しているようです。

プレスリリースの詳細は、上記のサイトで確認出来るのですが、下記の様に述べています。

ファイザーでは、自社の長期収載品と後発医薬品の区別なく、「大切に、長く使われていく標準的な治療薬」をエスタブリッシュ医薬品として取り扱って参ります。
ファイザーには、医薬品の製造・品質・供給管理、安全性に関する情報などの収集・評価からお問い合わせへの対応まで、長年にわたって築き上げ、守り続けてきた独自の厳しい基準があり、今後もファイザーの基準を満たす製品をお届けすることで日本の医療へ貢献していきます。

2015年2月19日、【男性型脱毛症治療薬「フィナステリド錠」の製造販売承認取得 後発医薬品として日本初】というタイトルにてファイザー株式会社がプレスリリースを発表しました。
用量が0.2mgと1mgのものがあるので、薬剤名はそれぞれ『フィナステリド錠0.2mg「ファイザー」』と『フィナステリド錠1mg「ファイザー」』となります。

 

 

ファイザーのジェネリックの発売時期

しかし、興味のあるのはファイザーがプロペシアのジェネリックをいつ発売するかです。

いや、正確に言えば、

 「ファイザーはプロペシアのジェネリックをいつ発売できるか」 です。

ファイザーのプレスリリースの詳細をご覧になった方はお気づきかと思いますが、

「今後、準備が整い次第、発売いたします。」

と記載されているのです。

私は製薬会社(T社の研究開発部門)に長く勤務いたのですが、フィナステリドの合成・製造は難しい工程ではありません。
世界屈指の大手製薬会社のファイザーですから、半年もあれば製造ラインは完成するはずですから、間違いなく、今年中には販売開始できるのです。

しかし、問題は特許です。

プロペシアの特許期限は2019年?

医薬品は特許があります。

たくさんの特許があるのですが中でも特に重要なものは、「物質特許」と「用途特許」の2つです。

  1. 物質特許
  2. 用途特許

「物質特許」というのは、簡単にいえば、プロペシアの化学物質名であるフィナステリドの所有権です。つまり、フィナステリドを初めてメルク社が作ったので、マネして作ってはいけないという特許です。

「用途特許」は、フィナステリドという化学物質が、AGAに効果があると言うことはメルク社が初めて明確にしたという優先権です。

この、「物質特許」と「用途特許」の2つ特許期間が切れるまで、

  1. フィナステリドを販売してはいけない
  2. フィナステリドをAGAに使ってはいけない

という国際的なルールがあるのです。

さて、

ファイザーが、ジェネリックの発売を開始するには、プロペシアの有効成分であるフィナステリドの「物質特許」と、AGA治療薬(男性における男性型脱毛症の進行遅延)としての「用途特許」の特許期間が終了するのを待つ必要があるのです。

特許期間については様々な申請が有り、どれがその特許に相当するかは非常に難しいのです。というのは、特許を保護するために、様々な物質や用途で申請していますので、かなり慎重に調べる必要があり、医薬品メーカーにいた私でも、例え知的財産部に所属していた方でも膨大な書類を調べなければ確定できないのですが、巷では、2014年に終了し、申請期間の5年延長が認められ、特許期間満了日は2019年10月ではないかと予測されています。

詳細は分かりませんが、ファイザーがわざわざプレスリリースで公表したということは、正規の特許期間は2014年10月で切れ、5年間の延長期間に入ったからではないかと推測されるのです。

このような経緯から考えて、ファイザーからのプロペシアのジェネリックの発売は2019年の10月以降と考えられます。

  • メルク社との提携があったのか
  • メルク社の特許の有効期限が切れたのか

詳細はメルクとファイザーしか分かりませんが、とにかく発売されたのです。 

しかし、なんと!!!  上記のような背景があるにもかかわらず、

ファイザーは2015年4月6日に、『フィナステリド錠・ファイザー』を発売したのです。

 詳しく見る >>> ファイザーがプロペシアのジェネリックを発売開始

 

Sponsored Link

 ジェネリックでプロペシアの価格は下がるか

「くすり九層倍(くそうばい)」という言葉を聞いたことがあると思います。

一般的に、薬は原価に比べれば非常に高いのが事実です。

例えば、後で詳しく書きますが、プロペシアの製造原価は数円だと思いますが、実際には300円くらいで売られています。

しかし、作れば数円のプロペシアを開発するためには10年近くの開発期間、動物試験、臨床試験など数百億円のも達する研究開発費がかかっているのです。

薬価は厚労省が決める

「くすり九層倍」という言葉は江戸時代に出来たそうです。江戸時代には、薬の価格に対する公的基準はなかったので、売り手が自由に決めていたので、元禄時代に万病の霊薬ともてはやされた朝鮮人参のように、秀吉が朝鮮征伐にまで出かけようとしたほどの希少価値から、売値も途方もない高値となったものもおおいのです。

現在では、厚生労働大臣が、保険医療で使用できる、つまり保険が適用されると認めれば、薬価基準に収載される仕組みになっており、薬事審議会が様々な背景や現状、さらに効果などを分析して薬価基準を決定しています。

薬価基準とは、上記のように厚生大臣が定め,医薬品の品目表にそれぞれの品目ごとに規格・単位と薬価を示した価格表で、製薬会社はこの価格以上の価格で医療機関に納めてはいけないことになっています(後に述べますが、安い価格で納入することは可能です)。

プロペシアは薬価収載されていない

さて、実は、プロペシアは上記の薬価収載がされていないのです!

プロペシアは薬価未収載です。

どうしてでしょうか、、、、

実は、薬価収載は、「保険医療で使用できる」 という条件があるのです。

薬価に収載されていない医薬品には保険は適用されないのです。

  詳しく見る >>> プロペシアを安く買うにはジェネリックか

逆に言えば、「保険適用されない医薬品は薬価収載されない」 ということです。

男性型脱毛症は疾患(病気)として認められていないため、保険適用されないのです。

プロペシアは医薬品で医者しか処方することが出来ないのですが、保険適用でないため、自由診療の医薬品です。

プロペシアの相場

プロペシアは薬価収載されていませんので薬価基準未収載ですが、メルク社では販売希望価格を提示しています。

  • 1錠(1mg)の希望価格 : 250円 
  • 1ヵ月の薬剤費 :  250円×30日=7,500円

プロペシアは健康保険が適用されないため自由診療の扱いで、薬以外の医師の診療も全額自己負担で、自由診療の場合は、医療機関が診察料、薬価(薬代)も自由に決めることが出来るのですが、全国的な平均ではプロペシア1錠250円、1ヵ月で7,500円が実費の目安です。

これに、医師の診察代、処方箋代などがかかりますから、1ヵ月におよそ10,000円が目安と言われています。

 ジェネリックの価格は下がるのか

1錠250円、1ヵ月で7,500円というのは高いのか、安いのか、、、

しかし、ジェネリックが販売されるようになると、気になるのはやはり価格です。

プロペシアは服用を止めれば再び抜け毛が増えるので、ずっと服用を続けなければならないので、少しでも経済的負担が少ない方が助かります。

ファイザーがプロペシアのジャネリックをどれだけの価格で発売するのかは全く予想がつきません。

しかし、あなたのために、あえて販売価格を予想してみますと、プロペシアと同じように保険適用外で薬価基準未収載で発売された勃起不全治療薬のバイアグラの場合を参考にしてみますと、バイアグラ50mgはおよそ1,500円ですが、バイアグラのジェネリック品は1,250円程度のようですから、17%程度安くなっています。

プロペシアのジャネリックについても、ファイザーのことですからその程度だと予想だれます。

ジェネリック・プロペシアの予想価格  250円 → 208円

 薬の価格を製薬会社が勝手に決められるわけではありません。
 厚労省から製造を許可された薬は、厚労省により値段(薬価基準価格=薬価)が決められ、薬価基準に収載され、販売されます。
 日本では、国民皆保険制度で、医療機関で使われる薬のほとんどが、医療保険の対象になるからです。
 医療機関で薬が使われた場合、患者が負担するのはその一部で、残りは医療保険から支払われるため、医療保険で支払う薬の価格 を、厚労省が決めておく仕組みなのです。
 厚労省が薬価を決めるときには、「類似薬効比較方式」という方法が使われます。新しく降圧薬が認可された場合には、すでに認可されている降圧薬の中で効能や作用が似ている薬を比較対照薬として価格が検討されます。
比較対照薬との、効果、安全性、服用方法などの違いに応じて、次のように補正加算されます。
 (1) 画期性加算    40%
 (2) 有用性加算(I)  10%
 (3) 有用性加算(II)  3%
 (4) 市場性加算(I)  10%
 (5) 市場性加算(II)  3%
 類似する対照薬がない場合には、新しい薬の製造原価を元にした「原価計算方式」という方法で価格が決められます。

 ジェネリックでも副作用は変わらない

 ジェネリック医薬品とは、特許が切れた医薬品を他社が製造したもので、後発医薬品ともいわれます。

新薬の開発には10~15年もの歳月と数百億円以上もの研究開発費がかかります。従って、「物質特許」と「用途特許」の2つ特許で、ある程度の期間、他の会社がまねをして作ってはいけないことになっています。

「物質特許」と「用途特許」の保護期間が終了すれば、許可を得れば誰でも自由に製造販売できるのです。

しかし、薬の特許には物質特許以外にも、例えば「製剤特許」が存在します。製剤特許が切れていなければ、同じような添加物を加えることができません。添加物が変われば薬がどのように溶けていくか、どれくらいの速度で吸収されていくかが変わってしまいます。薬の溶解速度や吸収速度が変われば、「薬の効きすぎ」や「効果が出にくい」ということが起きるのです。

さらに、ジェネリック医薬品の試験では、「有効性試験」はありますが、「安全性試験」はなく、安全性のデータは存在しないのです。

ジェネリック医薬品は先発品と比べ、その製品に対する情報量は極端に少ないのが現状です。

 

臨床医でも、「効果が異なる」、「安全性に信頼がない」、「不調になった患者さんがいる」として、ジェネリックを積極的に飲もうとはしていません、、、

詳しく見る >>> プロペシアのジェネリックは安全か 

 

しかし、売上げ高世界1のファイザー社が製造販売するジェネリックであれば安心ですが、2019年まで待つ必要があります。

プロペシアの副作用は変わらない

プロペシアの添付文書には副作用の記載があります。

これは、MSD(旧;メルク万有製薬)が国内で実際に男性型脱毛症の患者に投与したときに発現した副作用と頻度です。

プロペシアのジェネリックの副作用

 

ジェネリック医薬品ではこのような患者を対象にした臨床試験は行われませんから、どのような副作用がどのような頻度で発現するかという情報も無いことになります。

プロペシアの副作用

プロペシアの副作用は、性欲減退や勃起不全など、男性の性機能に関するもので、発現頻度は1~5%ですが、この数字を低いと考えるか高いと考えるかはあなたの判断ですが、副作用の発現は間違いなく、米国では大きな問題になっています。

 

詳しく見る >>> プロペシアの性機能に関する副作用は本当です 

 

国内での副作用の発現状況は、上記の添付文書のとうりですが、

その他にも、

女性の方は、このフィナステリドを絶対に服用しないようにしてください。特に妊娠されている方は、錠剤に触ることもやめてください。

との注意書きもあり、さらに男性でも未成年者への投与も禁じられています

女性の服用禁止の理由は、

『胎内にいる胎児に強い影響を及ぼす』 からです。

中でも胎児が男の子の場合、生殖器が変形したりする恐れがあると、厚生労働省のHPでも注意喚起がされています。

 

詳しく見る >> プロペシア(男性型脱毛症用薬)に関する注意喚起について

 

 プロペシアは男性型脱毛症の唯一の治療薬であることは間違いありません。

しかし、性機能に関する副作用があることも間違いないのです。

あなたのM字ハゲはどの程度でしょうか、、、

 

  • M字ハゲの治療 : プロペシア
  • M字ハゲの予防 : 性機能の副作用のない育毛剤 

 

詳しく見る >>> 性機能の副作用がないM字ハゲの育毛剤

プランテルはM字ハゲの育毛剤

Sponsored Link

 

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ