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ノコギリヤシの髪の毛に対する効果は科学的根拠がない?

日本毛髪科学協会の認定講師で毛髪診断士の けんぞう です。

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

 

髪の毛にノコギリヤシが良いってホントなのでしょうか?

実は、

イソフラボンについてはこのサイトに詳しく書いてあったので良く分かりましたが、

ノコギリヤシも薄毛に効果が有ると聞きますが、ホントでしょうか?

という問い合わせがありました。

 

ノコギリヤシっていうと、“男性の夜間頻尿のサプリ”を思い浮かべるのですが、

私もノコギリヤシと髪の毛については十分知らなかったのでこの機会に勉強しました。

どうぞ貴方も、参考にしてください。

 

 

薄毛に良いというノコギリヤシってなんだ?

新聞やテレビショッピングなどで、

ノコギリヤシのサプリメントの広告を良く目にするのですが、ノコギリヤシってなんなんでしょう。

 

調べてみると、ノコギリヤシはヤシ科の植物で、鋸椰子と書くんですね。

アメリカ南西部に自生していて、大西洋岸平野からメキシコ湾岸の砂浜に密に群生しているそうです。丈夫な植物ですが成長が極端に遅く、フロリダでは樹齢500~700年と推定される個体もあるそうですよ。

ノコギリの間前通り、葉っぱはノコギリのようになっているんです。でも、ヤシの木とは異なって、そんなに高くならず、高さは2~4m程度だそうです。 

 ノコギリヤシはインディアンの薬草

北アメリカに住むネイティブアメリカンであるインディアンはノコギリヤシの実を食用としたり、果実を絞って食用油やランプの灯油として使っていたそうです。

また、果実を乾燥させ、健康維持や男性の利尿剤や強壮剤として使っていたんだそうです。

 

1960年頃から、アメリカやヨーロッパで、ノコギリヤシの有効性についての研究や臨床実験が行われ、20世紀になって利尿作用や強壮作用に効く有効成分が確認されるようになったそうです。

中国でも「棕櫚子」と呼ばれノコギリヤシの効能が知られており、漢方薬として利用されてきたのだそうですが、中国にも自生していたのでしょうか、、、。

 

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ノコギリヤシの有効成分と作用

ノコギリヤシには、ステロールの一種であるβ-シトステロールや遊離脂肪酸の一種であるオレイン酸が含まれています。

オレイン酸が、前立腺肥大症の原因の一つである5α-リダクターゼの生成を抑制したり前立腺の炎症を抑える作用が有るため、

前立腺肥大症の症状改善に効果があるとされているようなんですね。

 

酵素5α-リダクターゼは前立腺の中で、男性ホルモンのテストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に変化させるのですが、DHTは前立腺の内腺細胞の増殖を促進する作用があるため、DHTは前立腺肥大の病状を進行させるのです。

 

前立腺肥大症に対するノコギリヤシの効果をまとめると、

  1. 5α-リダクターゼの生成を抑制する
  2. DHT受容体とDHTの結合を抑制する
  3. 前立腺の炎症を緩和する
  4. 前立腺間質細胞の増加を抑制し前立腺の肥大を抑制する
  5. 尿道括約筋を強くし尿漏れを防止する

ということなのです。

 

5α-リダクターゼと効くと思い出しますようね、、、。そうです、AGAの原因の因子なんでしたよね。

 

 

ノコギリヤシは、『5α-リダクターゼの生成を抑制する』ということは、

 

ノコギリヤシはAGAの進行を抑制する可能性が有る??

ということなんでしょうか、、、。

 

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ノコギリヤシの効果には科学的根拠がない?

厚生労働省は、「統合医療」に関わる情報発信事業の一環として、2014年3月に、「統合医療」情報発信サイトを立ち上げました。

このサイトでは、民間療法や補完・代替療法についてのエビデンス(科学的根拠)に基づいた情報を紹介しています。

ノコギリヤシの効果について調べてみますと、、、

なんと、、、

1)ノコギリヤシに関する小規模試験では、前立腺肥大の症状の治療に有効である可能性が示唆されています。
 しかし、高齢男性369人を対象とした2011年にNCCAMが共同でおこなった試験では、ノコギリヤシ抽出物を最大で標準日用量の3倍(320 mg)投与しても、プラセボと比較して前立腺肥大に関連する泌尿器症状は軽減されませんでした。さらに、2009年のレビューでは、ノコギリヤシはBPHに対してプラセボと同等の効果しかないという結論が出されています。

2)2006年にNIHが助成した試験では、中等度から重度の前立腺肥大を有する男性225人にノコギリヤシ320 mgまたはプラセボを毎日1年間投与しましたが、症状の改善は認められませんでした

3)前立腺肥大のサイズ減少やその他の疾患に対して、ノコギリヤシを利用することを支持するに足る十分な科学的根拠は得られていません

4)ノコギリヤシは、前立腺特異抗原(PSA)値には影響を与えないようです。
 PSAは前立腺の細胞が産生するタンパク質です。PSA検査は、前立腺癌のスクリーニングや前立腺癌の既往歴を有する患者のモニタリングに用いられます。 NCCAMが助成する研究では、ノコギリヤシ抽出物が前立腺癌細胞に与える影響について調査しています。

                                 「統合医療」情報発信サイト より引用

 

ノコギリヤシの効果については科学者のあいだでは疑問があるのですが、

厚生労働省のサイトで見る限りでは、

  • プラセボと同等の効果しかない
  • 症状の改善は認められない
  • 十分な科学的根拠はえられていない
  • PSA値には影響を与えない

ということで、これから判断すれば、

 

ノコギリヤシには5α-リダクターゼ抑制作用がない

と判断せざるをえないようです。

 

ということは当然、

ノコギリヤシはAGAには効果がない

ということになります。

 

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ノコギリヤシのサプリメントは食品です

ネット通販やドラッグストアーではノコギリヤシのサプリメントがたくさん販売されています。

製薬会社である小林製薬も2008年に、

日本初!前立腺肥大症におけるノコギリヤシエキス含有食品の有効性を確認

と発表しています。

 

  サプリメントは食品

注意すべきことは、サプリメントは「食品」で「医薬品」ではないということです。

サプリメントに、医薬品的な効能・効果や、用法・用量などを表記すると、薬事法違反になるのです。

さらに、医薬品に該当する「医薬品成分」、「生薬」などを配合した食品を製造・販売することも薬事法違反なのです。

 

さらに、

食品であるサプリメントでは、用法用量、服用時期や間隔をも記載すると薬事法に抵触します。

サプリメントの使用方法には、

 × : 「1日3回、毎食後、1日2粒、、」などと、「明確」に回数や量、タイミング表記できません

 〇 : 「1日1~3回、○粒を目安に」などの適当量の目安しか記載できません

 

当然のことながら、

「高血圧の方は1日○粒」、「前立腺肥大の男性は夕食後〇粒」という、症状に応じた用法用量を定める表現も禁止され、医薬品に記載されている、「用法用量」「服用」などの用語もNGなのです。

 

ノコギリヤシを含む育毛剤

ネットで調べてみますと、ボストン、チャップアップなど、『育毛・サプリメント』はたくさんあります。

育毛剤としては、かなり探したのですが、以下の1品だけでした、、

フェルサ(fuerza)

フェルサスカルプジェルには、ソウパルメット(ノコギリヤシ)果実エキスが配合されています。
ノコギリヤシはサプリで摂取することが多いのですが、ジェルにも採用されているので直接頭皮へ塗布可能です。
フェルサスカルプジェルは液だれしないジェルタイプです。

 

『育毛剤ぶっちゃけ口コミ全集』 によると、 フェルサ スカルプジェル の評判は、

30代・男性
「使い始めてから髪のボリュームが増えた感じがします。
抜け毛を観察したところ太い毛が増えて髪質も良くなっています」

40代・男性
「髪が細くなって地肌が見え始めたこともあり、この育毛剤を購入。
4ヶ月ほどで髪にハリやコシが戻ったようで、全体的なボリューム感も出てきました」

30代・男性
「自分では効果が出ているかも?といった程度の感触でしたが、妻や馴染みの美容室でも効果があるようだと言われて自信が持てるようになりました」

40代・男性
「増やすよりも抜けなくするための育毛剤とのことで試してみることに。
抜け毛が減ったせいなのか白髪が目立つようになった気がします。
それと体毛の伸びが早くなったかも」

20代・男性
「遺伝的に薄毛が気になっていたので購入しました。
2ヶ月使ってみましたが、今のところまだ効果はわかりません」

20代・男性
「ベタつく感じなので量を少なめにしないとセットしにくいです。
効果はありそうなので改良を期待しています」

と、まあまあの評判でしょうか、、。

 

ノコギリヤシの育毛剤は自己判断で、、、

このサイトは、公正にエビデンス(科学的根拠)に基づいて育毛剤を評価しています。

その観点からいえば、ノコギリヤシには、

AGAを予防・治療に値する有効性は科学的に確認されていない

と判断しました。

 

しかし、多くの口コミや論文などを卑下するつもりはありません。

『ノコギリヤシを含む育毛剤で薄毛が治った』といわれる方もいるのも事実です。

薄毛の改善は、『育毛剤』+『髪の毛にいい食べ物』+『頭皮環境』でできるものですから、その方に効果が有ったということも事実だと思います。

 

イソフラボン vs   ノコギリヤシ

敢えて比較すれば、

  • イソフラボン : 5α-リダクターゼ抑制作用が科学的に証明されている
  • ノコギリヤシ : 5α-リダクターゼ抑制作用を証明するには未だ不十分

ということです。

 

多くの薄毛に悩むヒトのためにも、ノコギリヤシの有用性が早く立証されて欲しいものです。

 

しかし!!

その後!!!

ノコギリヤシを主成分とする「栄養複合体」すなわちサプリメントが、

薄毛の男性でも女性でも

育毛効果があるとの論文が発表され、

日本でもサプリメントが入手できることが明らかになりました。

 

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